年金額は物価変動に応じて改定されます。「平成23年平均の全国消費者物価指数」は対前年比マイナス0.3%になったため、年金額は平成24年4月分(6月支給)から、0.3%引下げになります。また平成24年度の国民年金保険料は平成23年度から40円引下がり、14,980円(月額)となります。
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製造業の経営不振と労働者の雇用維持
日本の経済成長を支えてきた製造業が不振だ。ソニーは2012年3月期決算の純損益が2200億円の赤字になる見通しを、2日発表した。自動車や電機なども赤字が目立つ。原因は超円高やデフレ、欧州危機と言われている。大企業の不振は、下請け、孫請けを直撃する。千葉県内では、昨年秋にパナソニックや東芝が茂原、君津の工場撤退を発表した。政府はTPPへの交渉参加を決めたが、緊急課題として、円高対策をやってもらいたい。地元の下請けや零細企業が倒産したら、労働者の雇用も維持できない。日本の製造業は技術はすばらしいので、是非頑張っていただきたい。
労働の二極化と社会保障
リーマンショック以来、企業は合理化を行い、その結果正社員が減少し、パートタイマーや派遣社員等の非正社員が増加した。正社員が減っても仕事量は減っていないので、正社員の労働時間が増加し、メンタルヘルスの問題も増えてきた。また、以前は主婦のパートが中心であったが、家計の柱になるべき人を含めてパートが増加し、格差問題が発生した。非正社員は厚生年金に加入せず、国民年金になるが賃金が低いので未納になっている人が多い。現在、消費税を上げて社会保障の財源にすると行っているが、その前にこの労働の二極化問題と少子化対策を考えるべきではないでしょうか。
会社法と労働法
会社法では、株主、役員、債権者が主役である。会社で働く労働者は会社法の世界では部外者です。会社は株主のもので、利益を出しその利益を株主に配当するのが、会社法の考える会社の目的です。いわゆる「経営と所有の分離」です。労働法の世界では労働者の権利を尊重し健全な職場を作ることが会社の利益になるという発想です。会社法の要請では賃金をできるだけ低く抑えて会社に利益を出すのが株主の利益になります。このことは労働法の世界では好ましいことではないことになります。会社法と労働法の関係をどのようにに考えるかは大きなテーマですね。
私的自治と労働者保護
労働者と使用者の雇用契約は民法の規定では、お互い自由に締結できる。しかし、自由にすると労働条件の面でどうしても使用者に有利な契約になりがちである。そこで労働基準法等の労働法が労働者保護という視点から、契約の自由とういう私的自治の原則を修正する形で存在している。裁判所は労働裁判において、労働者に有利な就業規則は機械的に適用するが、会社に必要以上に有利な規定は適用しない傾向があるのではないか。労働契約法上は就業規則の規定はその内容が合理的なものであり、労働者に周知している場合は労働契約になる(労働契約法7条)。しかし、この合理性かどうかの最終判断は裁判所である。就業規則を作るときは、このことを認識していることが大変重要です。
労働契約法改正案(有期労働契約)について
今の国会で厚生労働省は、労働契約法改正案(有期労働契約)を提出予定です。
主な内容は次のとおり。
① 有期労働契約の期間は、現行は原則3年ですが、これを5年とし、6カ月のクーリング期間を導入する。
5年経過して、労働者が労働契約期間のない契約を主張したら、使用者は期間のない労働契約を締結しなければならない。
労働者が契約期間のない契約を主張しない場合は、退職になり、6カ月過ぎれば、また5年の有期労働契約を締結できる。
② 雇止め法理(ア 有期契約でも、実質無期契約と認められる場合 イ 有期契約でも契約更新の期待権がある場合は、雇止めの意思表示が解雇権濫用となる) を法定化する。
③ 合理性のない処遇の禁止
④ 契約更新の判断基準の明示
目的は、有期労働契約者の雇用の安定です。法律が国会で成立したら、企業としては有期労働契約者対策が必要になってきますね。
この法律の改正案が成立したら、パートタイム労働法および労働者派遣法の改正案が今後提出される予定になっています。
ヘルパー2級の研修が変更
ホームヘルパー2級が、2013年度から「介護職員初任者研修課程」(仮称)に変更されます。介護職員の質を高めるのが狙いです。在宅だけでなく施設の基本的な介護業務もできるように、医療との連携や急増する認知症高齢者の支援を学ぶ科目が新設されます。また筆記試験も加わる予定です。介護職員の質を高めるためには大変良いことだと思います。あとは待遇の改善をしていただきたいですね。
平成23年度卒業予定者の就職内定率
厚生労働省は17日、平成23年度卒業予定者の就職内定率を発表した。
内容は以下のとおりです。
① 大学71.9%(前年同期比3.1ポイント増)
② 高校73.1%(同2.5ポイント増)
前年同期よりは増加していますが、70%代前半で厳しいものがあります。
若い人たちの働く場所がないというのは、社会としては問題で、早く景気が回復してもらいたいものです。
遺族基礎年金に父子家庭の拡充検討
厚生労働省は、現在母子家庭のみに支給している遺族基礎年金について父子家庭への給付拡充の検討に入りました。現行は遺族厚生年金は、父子家庭、母子家庭ともに受け取れますが、遺族基礎年金は、母子家庭のみが受け取れる制度です。ただし、遺族基礎年金で父子家庭に支給すると給付金額が数百億円増えることになり、財源の確保が問題です。